第13回 乙女文楽

撮影:古屋均

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~初めての三座合同公演~

繊細な人形表現で魅了する「文楽」は、三人で一体の人形を遣います。その表現を一人で可能にしようと人形の仕組みと遣い方に工夫を加えたのが乙女文楽です。
このユニークな人形浄瑠璃を演じる神奈川県の三座が初めて共演します。
演目は名作ぞろい。母娘の情を描く「傾城阿波の鳴門」、躍動感あふれる「増補大江山酒呑童子」、華やかな「義経千本桜」など。多彩な作品を、三座が共演します。一線で活躍する女流義太夫による生演奏(二演目)でお楽しみください。
また女性の芸能だった乙女文楽で、男性演者二人が主演するのも、初めてのチャレンジです。

※お話しと人形解説には手話通訳がつきます。 

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「義経千本桜」 道行初音旅

(よしつねせんぼんざくら みちゆきはつねのたび)

源平合戦の後、義経は兄頼朝の不興を受けて奈良・吉野に隠れ住んでいた。恋人の静御前は家来の佐藤忠信を供に、義経を追って吉野山中にさしかかる。静御前は義経を想い、忠信は過ぎた屋島の合戦で戦死した兄の様子を物語る。が、忠信にはひとつの秘密があった・・・
肉親の縁薄く流浪する源義経と、亡き親を一途に慕う子狐のふれあいを描く物語の一場面で、文楽、歌舞伎でおなじみの詩情豊かな人気曲。

「傾城阿波の鳴門」順礼歌の段

(けいせいあわのなると じゅんれいうたのだん)  
大阪の町はずれに、十郎兵衛とお弓の夫婦が住んでいる。夫は元阿波の国(徳島県)の武士。主家の宝刀が紛失したため、幼い娘を残して大阪へ出て、盗賊となって刀の捜索を続けていた。ある日、その家を順礼の娘が訪れた。三歳のとき別れた両親を探しているという。お弓は実の娘と気づくが、盗賊となった身で、娘に禍が及ぶのを恐れ、心を鬼にして名乗らずに帰すのだった。親を慕う娘と、愛するゆえに名乗れぬ母の切ない情愛を描いた、人形浄瑠璃の人気演目。

「増補大江山酒吞童子」戻り橋の段

(ぞうほおおえやましゅてんどうじ もどりばしのだん)  
ときは平安時代。京都一條の戻り橋には夜毎鬼が出ると恐れられていた。ある夜、源頼光の家来、渡辺綱が戻り橋に差し掛かると、そこに美しい女が佇んでいた。「五条まで行くところ」という女を、綱は送り届けることにするが、一緒に歩き始めると、なんと川面に映ったその姿は恐ろしい鬼女であった。綱は気付かぬ素振りで、鬼女との虚々実々の駆け引きを繰り広げ、やがて「魔性の者、本性を表せ」と詰め寄って激しい戦いとなるのだった。大江山の鬼退治の伝説で有名な源頼光の家来を主人公として、鬼女との戦いを描いた舞踊劇。美女が一瞬にして鬼女に変わる仕掛けをもつ「ガブ」というカシラや、激しい立ち回りがみどころ。

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乙女文楽とは

「文楽」はユネスコの「無形文化遺産」にも登録された日本を代表する伝統人形芝居。1体の人形を3人で操ることで、感情やしぐさを繊細に表現します。
それに対し「乙女文楽」は、1人の人形遣いによって演じられます。大正末から昭和初期に文楽の人形遣い五世桐竹門造らによって誕生し、1人で遣うために、人形の仕組みと操り方にさまざまな工夫がなされています。誕生当初は、名前のとおり少女たちによって上演され、人気を博しました。

 

神奈川県の三座

創始者桐竹門造の直弟子である故桐竹智恵子が、戦後大阪から茅ヶ崎市に転居。公演活動の傍ら普及に尽力して複数の座が誕生しました。いまでは発祥の地大阪と並び、神奈川県にゆかりの伝統芸能となっています。2008年の智恵子没後も現在まで、三座が活動を続けています。近年は三座がともに研修を重ね、今回初めて合同公演を開催することとなりました。

 

ひとみ座乙女文楽

1967年から人形劇団ひとみ座の女性座員が指導を受け、翌68年に初公演。以来約60年にわたって、国内外で公演しています。智恵子没後は、文楽の桐竹勘十郎の指導を受けています。昨年、若手男性演者が誕生。また地域の子どもたちの育成にも力をいれています。(川崎市)

 

湘南座

1990年に結成。智恵子は1958年から順次、 神奈川県の高校2校でクラブ活動を誕生させ、晩年まで指導を続けました。そのOBたちが中心となって結成されました。平塚市を中心とする公演活動の他、県立高浜高校の指導を続けています。(平塚市)

 

桐竹祥元

桐竹智恵子の孫にあたり、幼少からその芸が身近にありました。男性であるため、自ら演じるようになったのは、智恵子没後のこと。独自の活動を模索しています。また県立茅ヶ崎高校での指導を行っています。(茅ヶ崎市)

 

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出演: 「義経千本桜」【三座合同】
       静御前 桐竹祥元
      佐藤忠信 冨木義之(ひとみ座乙女文楽)
          中村恵子(湘南座)

         音源は録音です

 

   「傾城阿波の鳴門」順礼歌の段【湘南座】

        お弓 城田雅江
        お鶴 
小川道代

       浄瑠璃 竹本越孝
       三味線 鶴澤駒治


   「増補大江山酒吞童子」戻り橋の段【ひとみ座乙女文楽】
    若菜実は鬼女 亀野直美
       渡辺綱 松本幸子(24日11時/25日15時)
           蓬田雅代(24日15時/25日11時)

       浄瑠璃 竹本越孝
       三味線 鶴澤駒治・鶴澤駒清


指導:
桐竹智恵子
    ◇
   桐竹勘十郎(ひとみ座乙女文楽指導)


2026年1月24日(土)開演:11:00 / 15:00
     1月25日(日)開演:11:00 / 15:00

開場:開演の30分前

会場:横浜人形の家 あかいくつ劇場(横浜市中区)


 

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料金(全席自由)

前売 3700円

当日 4000円

※当日は開演 1 時間前より入場整理券を配布いたします。

 

第11回 乙女文楽公演


お電話・ファックスでお申し込みはこちらです。

現代人形劇センター:TEL 044-777-2228 FAX 044-777-3570

 

チケットぴあ ≫ Pコード:538507

イープラス ≫

 

※ひとみ座倶楽部、デフパペット友の会会員の方は料金の優待がございます。(取扱窓口・現代人形劇センターのみ)

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主催:

(公財)現代人形劇センター

共催:

横浜人形の家

後援: 神奈川県/川崎市/神奈川県教育委員会/川崎市教育委員会/茅ヶ崎市教育委員会/平塚市教育委員会/横浜市教育委員会/(公財)日本伝統文化振興財団/(公財)ポーラ伝統文化振興財団/(公財)川崎市文化財団/(公財)かわさき市民活動センター/(公財)川崎市国際交流協会/NPO法人日本ウニマ(国際人形劇連盟日本センター)

 

協力 川崎市民俗芸能保存協会/日本人形劇人協会

助成

文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))|独立行政法人日本芸術文化振興会 

神奈川県マグカル展開促進補助金

 


  

お問い合せ

(公財)現代人形劇センター ≫

TEL 044-777-2228

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横浜人形の家 あかいくつ劇場

神奈川県横浜市中区山下町18・4F


電車: みなとみらい線「元町・中華街」駅 4番出口より徒歩3分/JR根岸線「石川町」駅 元町口より徒歩13分
バス:横浜駅東口または桜木町駅より市営バス26系統「横浜人形の家前」下車/市営バス8・58系統「山下ふ頭入口」下車

 

 

車椅子でのご観劇は、事前にお知らせください。