からくり玩具「牛若丸と弁慶」について

からくり玩具は、江戸時代に祭礼や見世物興行で大衆の人気を集めたからくり人形の仕掛けを、より身近な遊び道具である玩具に応用した、からくり人形の大衆バージョンといえます。

「牛若丸と弁慶」の原型は、からくり人形のメッカともいえる愛知県名古屋市の、東照宮大祭の山車の上で動いた源氏車と橋弁慶の人形にあります。

仕掛けは人形の体内に仕込んだ糸を引いて動かす「糸引きからくり」です。

すでに江戸時代末期から作られていたといわれています。 また明治時代末期には「七間町(山車を曳いた町内の名)の弁慶さんは眼玉ピカピカ、回る回る牛若ハリワイサーノエーンヤー」と歌にもてはやされて、子どもたちの人気ものでした。この七間町の山車は焼失して戦後はみられなくなり、この玩具に昔の面影をとどめています。

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