ひとみ座乙女文楽・演目紹介

「二人三番叟」

「三番叟」は元来、五穀豊穣を祈る意味をもつものでしたが、転じて、多くはお祝いのときや開幕に際して演じられるものとなりました。

文楽のみならず、能、歌舞伎、神楽など、日本の伝統芸能での中で、演じられ、重視される儀礼曲です。

乙女文楽では、二人で演じます。荘重な中にも華やかさのある演目です。

上演時間15分

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「壷坂霊験記」沢市住家の段〜山の段

明治期の浄瑠璃作品の傑作。三味線の名人豊沢団平の作曲になり、名曲として有名です。盲目の沢市と、彼に献身的に尽くす妻のお里の、心あたたまる夫婦愛の物語。

あらすじ

「沢市住家の段」

貧しい座頭の沢市とお里の住まい。お里は夫の目が見えることを祈願してひそかに毎夜壷坂観音へお参りするが、沢市はその姿に不貞を疑う。お里のけんめいの説明で、ようやく誤解が解け、心をひとつにした二人は、観音参りに夜道を急ぐ。

「山の段」

壷坂寺に着くと、女房のお里は沢市を残して一時帰宅する。ひとりになった沢市はお里の無償の愛情に恥じ、お里のためを思って、投身自殺を図る。不安を感じたお里が壷坂寺に引き返し、ことの次第に気付くと、夫の後を追う。しかし夫婦の強い愛に動かされた観音様が二人の命を救い、沢市の目を開けるのだった。

上演時間35分

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「義経千本桜」吉野山道行

「浄瑠璃の三大名作」のひとつと謳われ、源平合戦の後日譚を描く。文楽、歌舞伎でもおなじみの場面。

あらすじ

頼朝の不興を受けて奈良・吉野に隠れ住む義経を追って、恋人の静御前と従者佐藤忠信が吉野山中へとさしかかる。忠信は、旅の途中、屋島の合戦で義経の身代わりとなった兄の壮烈な死を誇らしく物語る。が、実はこの忠信は、狐が変身した姿。静御前のもつ鼓の皮にされた古狐の子どもだった。静が義経を慕うように、また狐も親狐を慕って旅をしていたのだ・・・

満開の桜の中でくりひろげられる、詩情豊かな場面。静の打つ鼓の音に、狐の本性が見え隠れするのも見どころのひとつ。

上演時間30分

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「傾城阿波の鳴門」順礼歌の段

親を慕って旅をする幼い子どもと、我が子と知りつつ名乗れない母の切ない気持ちを描いた名場面。その普遍性が、時を超えて人々の心をとらえ、文楽のみならず全国各地の人形芝居で繰り返し上演されてきた。

あらすじ

阿波の国の家臣、十郎兵衛は主家のために娘お鶴を残して、妻のお弓と共に国を出る。その仮住まいに巡礼となって親を探すお鶴が現れ、お弓は娘と分かりながら、身に危険が迫っているので名乗ることもできず娘を返してしまう。

上演時間35分

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「増補大江山酒呑童子」戻り橋の段

大江山の鬼退治で有名な源頼光の家来を主人公とし、鬼女との出会いを描いた舞踊劇。

美女が一瞬にして鬼女に、そしてまたすぐ美女にもどる“ガブ”や、激しい立ち回りが圧巻の作品。

あらすじ

京都一条の戻り橋。源頼光の四天王のひとり渡辺綱が戻り橋に差し掛かると、そこに美しい女が佇んでいる。行き先を尋ねると五条までという。それでは送ろうと一緒に歩き始めると、何と川面に映った姿は恐ろしい鬼の姿であった。綱は「魔性の者、本性を現せ」と大立ち回りになる。

上演時間30分

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その他

「傾城恋飛脚」新口村の段、「艶容女舞衣」酒屋の段、「新版歌祭文」野崎村の段

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