~シリーズアジアの人形芝居part16~

白山麓・東二口文弥人形浄瑠璃

(国指定重要無形民俗文化財)

東京公演

☆文弥人形.jpg ☆文弥人形(うら).jpg

350年前に京都から戻った村人が伝えたといわれる人形芝居。

石川県白山麓の東二口集落でこんにちまで上演されてきました。

当時人気を博した「文弥節」の哀切な語りと、素朴ながら力強い人形の表現。

江戸時代初期の人形浄瑠璃のおもかげをいまに伝える貴重な存在です。

「でくの舞」と呼ばれ人形と人形遣いが一体化した動きもみどころです。


日 時: 2012 年11 月10日(土)18:00/ 11日(日)13:00

会 場:アサヒアートスクエア ホール アクセスはこちら

     (墨田区吾妻橋1-23-1 スーパードライホール4F)

料 金: 一般・前売3300円 当日3800円/ 学生・前売2800円 当日3300円

    (全席自由)

出 演:東二口文弥人形浄瑠璃保存会

演 目:10日「三番叟」「出世景清」「華ほめ」

    11日「三番叟」「大職冠」「華ほめ」


【関連プログラム:レクチャーデモンストレーション】

日 時:2012年11月3日(祝)18:00

会 場:富士ゼロックス(株) 会議室

   アクセスはこちら (港区赤坂9-7-3)

料 金:一般2000円/学生1800円


主 催:(公財)現代人形劇センター

後 援:石川県・白山市・白山市教育委員会・

  (公社)全日本郷土芸能協会・

  日本ウニマ(国際人形劇連盟日本センター)

助 成:芸術文化振興基金

協 賛:アサヒビール(株)

協 力:富士ゼロックス(株)・富士ゼロックス端数倶楽部

  スバエクの会・日本人形劇人協会・日本ワヤン協会

  バリ芸能研究会・パペットマーケット


【お申込み・お問い合わせ】(公財)現代人形劇センター

TEL 044-777-2228 FAX 044-777-3570

E-MAIL asia@puppet.or.jp


※詳細はお問い合わせください。


【東二口文弥人形浄瑠璃】

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霊峰として名高い、白山の麓、冬は雪に閉ざされる、北陸の山深い集落に伝わる人形芝居です。17世紀半ば、京に上った村人が、当時流行していた人形浄瑠璃を村に持ち帰り、現在まで300年以上にわたり脈々と演じられてきました。17世紀、人形と当時流行していた語りもの=浄瑠璃音楽とが結びついて、「人形浄瑠璃」という新しい芸能ジャンルが生まれました。

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京、大坂、江戸の3都の興行街で人気を集め、多くの語り手が独自の節を編み出し、一方人形も舞台に仕掛けをこらして競い合っていました。

東二口文弥人形浄瑠璃は、その面影と魅力を、現代の私たちに伝えてくれる貴重な存在です。


浄瑠璃(語り)は「文弥節」で、哀切な曲調で17世紀後半に流行したいわばニューウェーブ。人形遣いは人形の裾から両手を差し入れ、人形を身体に引き寄せ、曲にあわせて足拍子を踏みながら、全身で人形を操ります。身体と人形が一体となった、流れるような優美なその動きを、人々は「でく(木偶)の舞」と呼んできました。その表現は、素朴で直截。力強さと哀切な美しさで、人形芝居のひとつの可能性を伝えてくれます。現在のレパートリーは6演目を数えます。いずれも江戸時代初期の人形浄瑠璃作品や、いまでは上演の絶えた近松門左衛門の幻の名作など、貴重な作品ばかりです。


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【東二口文弥人形浄瑠璃保存会】

伝承地である東二口地区(石川県白山市)は、現在16世帯、人口30人余という過疎化の著しく進んだ地域です。保存会員は古くからの伝承者を中心として、伝承に困難を抱えながら、学校での普及活動や、映像記録などを活発に行い、若い世代の育成に力を注いでいます。

毎年2月に定期公演を実施。


【演目紹介】

「三番叟」

開幕にあたって必ず演じられる祝儀曲です。


「花誉め」

閉幕にあたって、来場者に対するお礼の意味をもつ口上です。


※以下の演目が日替わりで上演されます。

「出世景清」

1685年初演。近松門左衛門作。ときの権力者源頼朝への反逆の志を貫く平家の武将景清と、その愛人阿古屋を主人公に、人間の葛藤を赤裸々に描いて浄瑠璃に新時代を開いたと評価の高い、幻の名作。


「大職冠」

1680年初演。平安時代、藤原鎌足の息子が、八大竜王に奪われた宝珠をとり返すため、土地の海女と契り、その助けを得て目的を達するまでの物語。夫と息子に別れて海中へ向かう海女の哀切と、竜王との戦いのスペクタクルがみどころ。



写真・撮影:古屋均